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玄関はとおい

 朝、俺はいつもの通りけたまましいベルの音で目をさました。

なんだ 朝か

あたりまえのことをつぶやくと俺はベッドから起き上がった。

ふと、窓の外をみるといい天気だ。

クローゼットを開け、スーツに着替える。

今日も会社だ。さてと

俺は朝食はとらない。ギリギリまで寝ていたいからだ。

身だしなみを整え、玄関にいこうと思い。

ふと、首をかしげた。

玄関がないのだ。

2DKのマンションで道に迷うはずもなく、

ああ、まだ俺は寝ぼけているんだと

振り向いて、唖然とした。

今歩いてきたほんの2メートルくらいの廊下のはずが、

そこは、遥かかなたまでつづく廊下に変わっていた。

あのかなたに玄関があるのか?。

とりあえず俺は歩きはじめた。

後ろをふりむくと反対側にも、はるかかなたまで廊下がつづいていた。

それから何時間、いや何日間歩きつづけただろうか。

あのかなたに玄関があるのかという事さえ、ぼんやりとした記憶でしかなく、

歩きつづけることによって正気をたもたれているといった具合だ。

また何日間がすぎた。

俺は疲れと飢えで倒れた。

意識がかすむなかで、ぼんやりと目の前にドアが現われた。

最後の力をふりしぼりドアをあけた。

ドアの外は天国だった。

玄関はいまだに見つからない。

 

FIN

 
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