Novel
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痛い
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スピード違反してつかまった。
免許停止だ。
営業が仕事である俺には死活問題である。
数日後、警察に呼び出された。免停講習というやつだ。
教室みたいな部屋で、映画や講義を聞かされるのである。
それは1日中つづくのだ。
前にも免停講習を受けたことのある俺には一つ不思議におもったことがあった。
この免許停止に不服の者は申し立てができるのだ。
はじめにその趣旨が説明されるが、不服申し立てで無罪になるのか多いに興味があった。
俺はこれに手をあげた。
T.T
別室に通された。取り調べ室といったところか。
無機質な事務机と椅子が二つあり、窓には鉄格子がついている。
少し大げさだなとおもったが、もっと悪質な犯罪もここで取り調べると考えれば当然な設備だ。
パイプ椅子に座るようにいわれ、こしかけた。
俺を案内した若い警官と、もう1人あとから刑事風の体格のいい中年警官が入ってきた。
「あなた、認めない気ですか?」若い警官が、口を開いた。
「ああ・・」
私がそう言うと、突然、中年警官が、私を押え付けさるぐつわをかました。
「しかたないですねぇ」
若い警官は机のひき出しから1本の長い針を取り出した。
私の手を無理やりひろげ机に固定した。
じょうだんだろ。もがいたが身動きひとつ取れなかった。
若い警官が俺の指と爪の間に針をゆっくりと差し込んだ。
指先からじわじわと血がにじんだ。俺はあまりの痛さにうめいた。
「警察をなめてもらっちゃこまりますよ。」
そう言うと針を指先から勢いよくひき抜いた。にやにや笑っていた。
中年警官が俺の髪をつかんで、頭をもちあげた。
若い警官は、俺の顔の前にべっとりと血のついた針をかざした。
あまりにも針が顔の近くであったため、目の視点があわなかった。
ただ若い警官がサディスティクに笑うのが見えただけだった。
若い警官は針先をこっちに近づけると俺の右目に針を刺した。
針は俺のまぶたを突き抜け、眼球にプスリとささった。
俺はうめきもがいたが、中年警官の力は強く、身動きひとつできない。
若い警官はゆっくりと眼球の奥まで針を差し込むとグリグリとかき回した。
俺は、右の眼窩から頬をつたってドロドロしたものが流れ落ちるのを肌で感じた。
きゅいーんと電気ドリルの機械的な音が狭い部屋にひびく。
ひっひっひっ
狂っている。俺はそう思った。スピード違反でなぜ死ぬような目にあわねばならぬのか。
若い警官は机に広げられている俺の手の甲にドリルをつきたてた。
うぐ。おもわず呻く。肉片が飛び散り、ごりごりと骨の砕ける音が頭にひびいた。
本当は俺は重罪を犯したのだったかもしれない。
そんな思いがかすめてきた。自分がじょじょに狂ってゆくのを意識した。
ドリルの刃は俺の手を突き抜け机に穴をあけ、スチロールの粉が肉片と混ざってどろどろと流れ出た。
「交通事故の映画で使う死体あと何体いるんだっけ。」
「さあな・・まっ沢山あったほうが、悲惨さが伝わりやすいってもんだ。」
遠のいて行く意識のなかで、2人の会話をぼんやりと聞いていた。
FIN
すべての内容は空想であり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。